つたえたい、
心の手紙
いまは会えないあの人に
「つたえたい、心の手紙」

この活動を通して
「つたえたい、心の手紙」は、書くことで心の整理をする機会となる一方、読者の方からも、今ある大切な人たちと過ごす時間に改めて喜びを感じることができるという声が寄せられています。
この活動を通じて、手紙がもっている、“手紙を書いた本人だけではなく読んだ方への癒す力”“家族や友人との絆を再確認し、前向きに生きる気持ちにさせてくれる力”を皆様に少しでもお伝えできればと思います。

編集長が選ぶ、
今週の珠玉の1通
惜しくも受賞は逃したものの、作者の方の想いが強く感じられる作品を「珠玉の1通」としてご紹介いたします。
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おとうさん
きょうは小春日和の良い天気。空は高く青く澄み渡っていますね。こんな日はあなたと幼い娘と三人で荒川の土手を歩いたことを思い出します。
あなたが逝ってしまって12年。一人娘の紗貴は大学4年生になりました。学芸員を目指して就職活動と卒業論文の作成に忙しくしています。
きょうも元気に学校へ出掛けました。こんなに大きく育ってくれて私も改めてうれしく思います。
紗貴が幼い頃、よく風邪をひいて高熱を出すとあなたは寝ている紗貴のおでこと自分のおでこをつけて、まるで熱を吸いとってやるように抱きしめていましたね。
その姿に私は、あなたにとって紗貴が何よりも大切な存在で本当に目に入れても痛くない子どもであることが身に沁みました。
紗貴は私よりあなたと気が合っていてよくおしゃべりをしていましたね。お風呂も一緒、洗った髪を乾かしてもあげていました。
そんなあなたが逝ってしまったとき、紗貴はまだ小学4年生になったばかり。どれほどおとうさんを恋しがり、毎日泣きたかったでしょうに、私は「おとうさんが悲しむから泣かないでね」と言ってしまいました。
その言葉を守り、紗貴は私の前で決して涙を見せませんでした。本当は私が泣いている娘の姿を見るのが辛かったからなのに。
甘えん坊だった紗貴はそれからどんなときも精一杯頑張っていました。あなたが見たかったと涙を流していた中学の制服姿になっても、高校も大学も。
明るく良い子に育ってくれたのは、紗貴の心の中におとうさんにたくさん愛されたという自信があったからでしょう。
そしていつもそばにいて見守ってくれていることが毎日の生活でわかっていったからでしょう。
私は今でもときどきあなたを想い泣いてしまうけど、私たちの会話の中にはいつでもおとうさんがいますよ。
おとうさんはこれが好きとか、おとうさんに怒られちゃうとか。そう、私たちはいつだって親子三人なんですよね。
「心の手紙」に
寄せられたご感想
応募者の方の声
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静岡県・50代・⼥性
応募をきっかけに、改めて⽗や⺟への想いを⾔葉にすることができました。
忙しさにかまけて、⾒ないふりをしてきたような気がします。こんな⾵に感じていたんだ、と⾃分の事ながら、読み返すことができたことが、今、⾃分への⽀えです。
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東京都・10代・⼥性
初めてこの公募を⾒かけて、「祖⽗に伝えたい」その気持ちでいっぱいになり書きました。書いている途中はあれこれ祖⽗との思い出がよみがえって、何度も涙が⽌まらなくなり書くのを中断しましたが、最後まで書き上げられてよかったです。祖⽗に届くように⼼から願っています。
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⼤阪府・60代・⼥性
今まで⼼残りで後悔していたことを⽂章にして、⾃分の⼼の整理をすることができました。
本⼈にはもう伝えることができませんが、今まで内に溜めていた気持ちを吐き出すことで、⼼が少し軽くなった気がします。 -
神奈川県・60代・男性
この作⽂を書くことで、家族を考える良い機会になりました。私のように感じられる⽅は多いと思います。とても良い企画と思いますので、これからもずっと続けていっていただきたいと願います。
読者の方の声
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富⼭県・60代・男性
⾝に染みるお話ばかりで涙が溢れてきました。⾃分の⾝の回りにいる⼈やお世話になった⽅を⼤事にし、⼈の痛みや悲しみを知り、思いを同じにすることでその⼈の気持ちをより深く理解することができるのだと思いました。
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愛媛県・40代・⼥性
過去の作品を読ませていただきました。それぞれの⽅の⼈⽣や⽣き⽅、思いが伝わり、⼼が温かくなりました。⾃分の⽣き⽅や⼈⽣を振り返り、今に感謝する良い機会になりました。
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埼⽟県・70代・⼥性
毎年楽しみにしておりますそして何度も繰り返し読ませていただいています。
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岡⼭県・40代・男性
毎回、読むたびに普通の⽣活が当たり前ではなく、有り難い事なんだと思います。
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